高齢者の音楽療法では回想法という手法が用いられます。元気だったころの自分を思い出すことで、自信を取り戻してもらうのです。そのため、昔の流行歌や童謡などを題材にすることが多いといいます。音楽療法で期待できる主な効果 老人ホームなどで暮らす高齢者は受け身になりやすいが、音楽を通じて交流が生まれ、気分転換になる なつかしい思い出がよみがえり、会話が生まれるきっかけになる 昔を振り返って一緒に歌を歌ったり、合奏したりすることで連帯感が生まれる 心肺機能が活用できる。声が出にくい人でもハミングやリズムを取ることなどで、自分なりの表現ができる ハーモニカやリコーダーは呼吸訓練、打楽器は手などの機能訓練にもなる 楽器の操作を学んだり演奏に加わったりすることで、達成感が生まれるじゃどう音楽療法士がいいのか。発声するとういうことは脳神経を刺激します。声をだすことは腹式呼吸で肺にいいわけです。呼吸をすれば血のめぐりだってよくなります。また楽器をもたすことは手先や手足の神経を刺激する運動になります。第1音楽は・・・だれだって好きなものなのです近年、音楽のもつ力を利用した「音楽療法」が、お年寄りの介護の現場で広まっています。音楽療法により、体や心の状態を改善したり、コミュニケーションを図る機会を増やすなどの効果が期待できます。

音楽療法とは
年とると、老化による体の衰えや、病気による障害など、体にさまざまな変化が現れます。体の変化は心にも影響を及ぼすので、不安感やイライラが募りやすくなりますし、孤独感を感じることも多くなります。このようなお年寄りの心身の状態を改善する方法として、近年注目されているのが「音楽療法」です。音楽療法とは、音楽のもつ力を利用して、心の状態の改善や身体機能の改善・維持を目指すものです。お年寄りだけでなく、障害をもつ子どもや精神病の患者さんなどを対象に、広く行われ始めています。音楽療法を実際に行うのは「音楽療法士と呼ばれる専門家で、医療や福祉の現場で活動しています。

音楽療法の方法と効果
音楽療法は、大きく「音楽活動(楽器演奏や歌唱など)」と「音楽鑑賞」の2つに分けられ、どちらも楽しく体を動かすというのが大きな特徴ですが、特に楽器演奏は手先のリハビリテーション、歌唱は発声と言葉の訓練につながります。また、楽器を演奏したり、歌を歌うことは、直接、脳の感情中枢に働きかけることになるので、心にうっ積した感情を発散することができます。音楽鑑賞では、好きな音楽や懐かしい音楽を鑑賞することで感情が揺さぶられ、過去を回想するきっかけをつくります。昔のことを思い出したりすると、自分の気持を人に伝えたくなることから、人とのコミュニケーションが促されるという効果が期待できます。

音楽療法と介護
音にに対する理解を深めることができます。そして、音楽療法の場で得られたお年寄り一人一人の「自分らしさ」を、介護するスタッフ全員が共有することで、よりよいケアにつながることが認められています。お年寄りのための音楽療法は、地域によって差がありますが、老人施設や福祉施設で取り入れられ始めています。市区町村の福祉の窓口や、地域の施設などに問い合わせてみてください。

                              ※このページは番組内容を元に再構成したものです。

音楽は季節を感じたり、その歌を歌った当時を回想したり、脳を刺激する精神面でのリハビリと言える。
機能面のリハビリと両輪で心身の活性化を図ることがねらいだ。
京都国際音楽センターの音楽療法の定義(転載)

♪音楽療法のめばえ
音楽療法のルーツをたどると、おそらくそこにはわたしたち人類の誕生の歴史とともに、そのあゆみが見い出されるでしょう。当初は、療法としての要素というよりも、どちらかというと神の心を慰めるため、自然の怒りを鎮めるため、病気で苦しむ人に取りついていると信じられていた邪悪なものを祓うため、戦闘を前にした兵士たちの勇気をかりたてるためなど祭事的な目的のものとして、様々な形の歌や楽器の演奏、それに合わせた舞踊などが世界各地で生まれ、発展をとげてきました。これらの活動はすべて、その音楽の持つ力により、その場にいるすべての人々の心を慰め、また勇気づけるものであったと言えます。わたしたち人間は、太古より音楽に支えられながら、また自らが欲する音楽を創造しながら生を重ねてきました。このことから音楽はわたしたちの生活や心の健康性にとって重要な役割を果たしてきているのだということが想像できます。

♪今日の音楽療法のはじまり
現代、わたしたちが実際に見聞きする音楽療法の最も直接的な起源は、20世紀初頭のアメリカで、精神病院を慰問する慈善活動として音楽が用いられたことに始まったと伝えられています。その後アメリカ全土において音楽療法の活動が大きく広がった背景には、戦争による多くの傷病兵たちへの音楽による慰問が全国規模で行われたという経緯があります。そこでは精神的に欝状態になった兵士たちに、音楽を聴くこと、歌うこと、あるいは演奏することによって心の健康を回復するための訓練が実施されたのです。そのようにして精神科医や心理療法士、セラピスト、音楽家により様々な方法が本格的に研究開発されるようになりました。その後は精神病院においてだけでなく、様々な障害を持つ子供から高齢者にいたるまでたくさんの人々のための施設において音楽療法が積極的に取り入れられるようになってきています。

♪日本における音楽療法の歩み
日本における音楽療法のあゆみは、約50年前にやはり精神病院や障害児施設での活動として始まりました。以来その本格的な研究や実践が積み重ねられ、現在では単なる技術としてではなく、音楽療法をもっと深い次元での人間と人間の織り成す営みとして捉えることの重要性が求められるようになってきています。音楽療法を音楽による心理療法と考え、病を治すという従来の医学的概念によるのではなく、病気や障害を持った人々と一緒になって創造的に生きることの歓びを分かち合うことを目指す療法としてとらえることが最も重要な点です。音楽療法は、いわゆるBGMやリラクゼーションのための音楽ではなく、人と人の間で心理的なコミュニケーションをはかるための方法と捉えるべきでしょう。その意味で音楽療法とは非常に人間性、ヒューマニスティックなものを重要視する療法であると言えます。現在音楽療法の実施は、老人性痴呆症や脳性まひ、小児まひ、自閉症、交通事故の後遺症などにより脳障害を持ちながら生きる人々を対象に新しい療法として確実な広がりを見せています。1994年には音楽教育振興法が成立し、日本の音楽文化の推進が政策的に取り上げられるようにもなり、実際に岐阜を始め、一部の自治体が独自に音楽療法研究所を設立する動きも見られるようになってきました。2001年4月には日本バイオミュージック学会と臨床音楽療法協会が合併し「日本音楽療法学会」が正式に発足し、同学会認定による音楽療法士が誕生しています。又、全国各地に音楽療法関係団体(研究会等)が100近く存在し、様々な形で活動しています。今後は専門職としての音楽療法士の養成はもとよりその受入制度の確立等が早急な課題となってくるものと思われます。
                              東京国際音楽療法専門学院の音楽療法(抜粋)

♪音楽を通した心のコミュニケーション
そのリズムが、メロディーが心の扉をひらくとき・・・・・・・
音楽を聴いているうちに忘れていた昔の記憶がふとよみがえることはありませんか?長いあいだ話すことを忘れていたお年寄りも、音楽を一緒に聴いたり、歌をうたったり、楽器を鳴らしたりしているうちに、記憶の糸がほぐれて自分から話しだすことがあります。音楽が心身に刺激を与え、薄れかけた記憶を呼び覚ますのです。その言葉に耳を傾けてあげることによって、お年寄りの顔が日増しに生き生きとしてきます。また、心身に障害のある人や、発達に遅れのある子供も、楽器に手を触れ体でリズムやメロディーを感じることを通じて、まわりのいろいろなことに関心をひらき、運動機能も向上し世界が広がっていきます。ストレスの多い現代社会にあって、音楽によるリラクセーションは身近なものになっています。音楽を生活や労働に取り入れることの効用は昔から言われてきました。しかし、音楽療法とは、そこから一歩進んで、音楽を積極的に活用することによって、様々な人たちを手助けするとともに新しい社会をつくっていこうというものです。



音楽療法・・・

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